口腔習癖とは何か
歯並びなどに悪影響を及ぼしうるお口の周りの無意識の動作、お口の機能の異常、習癖のことをいいます
例えば、指しゃぶりや爪を噛むなどの癖があげられます
「癖」と名前がついていますが、「問題のある異常機能」であり、単純な「癖」とは分けて考えたほうがよいかもしれません
口腔習癖はなぜ問題か?
口腔習癖は歯並びに悪影響を与え、矯正治療が必要になることも問題になりますが、大人になってからの歯科治療が複雑なケース、経過が悪い、いわゆる難症例のほとんどになんらかの口腔習癖が関与しているのではないかと考えられています
成人(特に高齢者)に対する口腔習癖のコントロールは、習癖の期間が長いことや年齢的に適応能力が低いことからなかなか難しいのです
そこで、治療が複雑で難しくなる前のもっと早い段階、習癖の初期の年代に改善に取組み治すことが重要であると考えています
口腔習癖はいつから始まる?
1歳6か月時検診などで多くの乳幼児を診ていると、すでに不正咬合の子供が多数おり、そのなかには口腔習癖が原因と考えられるお子さんも少なくありません
乳児期(0歳〜1歳6か月)でもすでにさまざまな口腔習癖が始まっていることがあるようです
1歳6か月時の検診時ですがかみ合わせが逆になる反対咬合と上下の前歯の中心が合わない正中のズレが生じてしまっています
口腔習癖の種類について
①生活習慣に起因する習癖
偏咀嚼、態癖(頬杖、うつぶせ寝、姿勢)など
②他疾患や解剖学的条件が原因の習癖
舌癖、口呼吸、口唇閉鎖不全、低位舌など
③情緒に関係する習癖
指しゃぶり、物しゃぶり、咬爪癖、吸唇癖、咬唇癖など
小児のうちに口腔習癖を改善しましょう
口腔習癖は成人と比べて小児のほうが改善しやすく、特に原因がはっきりしているケースや後天的な要素が強く習癖の期間が短いケースほど治しやすいです
そのため習癖の原因や状態をきちんと把握することが重要であり、当院ではむし歯予防の検診でご来院された際も口腔習癖があるか歯科医師がチェックさせていただいております
口腔習癖を取り除いておくことができれば、生涯にわたってその子の口腔内を効果的に守れる「最高の予防処置」になると考えております
将来の矯正治療につながってしまう口腔習癖
将来的に難症例となる可能性がある口腔習癖のかかわりが強く考えられる不正咬合の種類として、「開咬」「過蓋咬合」「正中のずれ」があげられます
次回からはそれぞれの不正咬合についてのご説明と、それを引き起こす口腔習癖について詳しくご説明させていただきます